カナダ産マツタケの獲る方法 30年以上のベテランによる独自視点の見つけ方を教えます!

2021年9月30日木曜日

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はじめてカナダBC州のウィスラーに来たのは、1990年の10月。着いたその週末に職場の先輩にマツタケ狩りに連れて行ってもらっていました。だからこの時期のマツタケ狩りは、もうかれこれ30年になります。今では秋の最大の楽しみ!僕の趣味の1つと言っていいでしょう。
そんな僕が、独自の視点となりますが、マツタケの見つけ方を教えます。


マツタケが見つかる場所

マツタケが見つかる場所は、樹齢数十年くらいの風格がある松が生えています。また古木が倒れていて、もう木だか土だか区別ができない感じのようなところが良いです。
あと、自分の経験談として、マツタケは緑の苔が広がる景色を好むようです。言い換えれば、土だけのような茶色だけが広がるような景色のところは、意外に採れないように思います。

大雑把に伝えると以下のような写真スポットです。


・全体的に茶色だけでなく緑(苔など)がある
・木が倒れている。古木がまるで土のようになっていたりする


マツタケが見つからない場所

逆にマツタケが見つかりそうで見つからない場所というのは?
それは、落ち葉があるような場所です。


林道を歩いていると、どこでもマツタケが見つかるような気がします。特に狭い山道や暗いところなど、他のキノコ類もあるので、なんとなくマツタケが見つかるような気がします。しかし、実際のところは、こういう落ち葉が多いところはほぼ見つけることができません。

落ち葉などが蓄積して富栄養化が進み、分厚い腐葉土のようになると、マツタケの生息環境としては不適だからです。

●以下、参考サイト
ウィキペディア マツタケhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%84%E3%82%BF%E3%82%B1


歩くスピードは意外に速くてもOK!

あくまでも個人的に意見かもしれませんが、マツタケを探す時の歩くスピードはみなさんが思っている以上に速くてもOKだと思います。

マツタケを見つけたことがない初心者を連れて行くと、歩くのが遅いのです。本人にしてみたら、いかにもマツタケが見つかりそうな森の中で、「見逃さない!」という強い気持ちのため、どうしても歩くのが遅くなってしまうのだと思います。そして、いちいちマツタケのようなキノコ類を見つけると、止まってしまうのでしょう。

その気持ちはわかるのですが、もっとサクサク歩いても大丈夫ですよ。
僕は、歩きやすい道を軽やかに進み、そして、「あっ、マツタケかも!」という白い物体が目に入った時には、そこを目掛けて近づきます。その場所が、多少入り難いところでも、マツタケの予感がした時には、頑張って辿り着くようにします。すると、マツタケの場合もあるし、そうでない時もあります。例えば、白い物体が他のキノコ類だったり、石であることもあります。

別に急いでマツタケを採っているわけではないので、無理してスピードを出すこともありません。ただ、颯爽と山の中を歩き、その日、自分がマツタケ狩りを楽しみたい時間を味わうという感じです。そのためには、グズグズ歩いていては、時間ばかり過ぎてしまってもったいないなあ、と思うのです。

あと、山を歩く時には、いわゆる森をいじめるようなところまでは極力入らないようにもしています。つまり、苔が穿いていて、誰もが足を入れたことないような場所まで入るのは、遠慮するということです。
普通にハイキングコースみたいなところを歩き、「あっ、マツタケかも!」というものを見つけた時には、森林さんに失敬するような気持ちで、「ゴメンね」と言いながら、入るようにしています。


意外かもしれませんが、以上の写真のようなスポット、誰もが通る林道から見つけることが多いです。
左側のマツタケが出そうなところを見ながら、「もしかしたら!」という時には、失敬して入るわけです。

また以下の写真のスポットは、毎朝、僕が愛犬チャーリーくんの散歩する山道になります。
ここはマウンテンバイクのコースにもなっていますが、ここでもマツタケを採ることはできます。





マツタケが発見される姿

そもそもマツタケを見つけたことがない人は、どんな姿で発見できるのか、ということがわかっていないかもしれません。
そこで、具体例の写真をご紹介しましょう。


これが、理想的なマツタケの発見される姿です!

ちょっと白い頭が出ているだけなので、まだ傘が開いていない理想的なマツタケ。地元では「ナンバーワン」と呼ばれ、もっとも高く買い取られる種類。日本にも輸出できる一級品です。


こんもりと土が上がっているところがあるので、そのあたりを剥いでみると、マツタケが現れることがあります。これが、もっとも最高の採り方です。そもそもマツタケが地表から出ていないので、相当に難しいのですが、「このへんマツタケが採れそうだな」と思っていたところをめくってみると、ラッキーなことに現れることがあります。(以下、動画参考)


ところが多くの場合、このような理想的な形で見つけることができません。たいていは、ほぼ開いたような以下のような感じで見つけることが多いです。


これはこれで嬉しいのですが、やはりもっと早く見つけたかったという思いにもなりますね。
「もっと早くキミを見つけられなくて、ゴメン」という気持ちにもなります。

以下の写真は4年前に大量にマツタケを採れた日、その収穫した姿を写したものですが、このように多くのマツタケは開いたような状態で見つけることが多いです。右にある方のマツタケが傘が開いていなくて、より良い状態です。



ニセモノに気を付けよう!本物との見分け方

マツタケのシーズンになると、必ずと言っていいほどニセモノを見つけます。
もし、自分が採ったものがマツタケでなく、毒を持っていたら!
想像するだけでも怖いですよね。だけど、安心してください。マツタケは、この時期に生えてくるキノコ類の中でももっとも見分けやすいのです。

決定的な違いは、香りです!

あのマツタケ独特の香りがするので、見つけた人は、「間違いない!」という強い確信めいたものを持つと思います。逆に言えば、「これ、マツタケかな?」と思うようなものは、マツタケではありません。なぜなら、香りがしないし、あったとしても極々わずか。マツタケならでのあの強い香りがしてきません。

もっとも間違いやすいニセモノは以下のやつです。


一見すると北米産の白いマツタケに似ています。肉厚も似ているし、サイズ感も同じ。
だけど、このニセモノは香りがありません。若干、香るかもしれませんが、マツタケのようなあきらかな強さは感じられないのです。この秋の時期ならではの森の香りというか、そんな香りが若干漂うくらいです。


以上の写真も、ニセモノです。
カラー的には、似ていますね。だけど、このニセモノが大きくなっていない状態の時には、マツタケよりも白い特徴があります。
また、何よりマツタケとの違いのは、傘の真ん中が凹んでいることです。マツタケはどんなに傘が開いたとしても、真ん中は常に凸になっています


マツタケは、時に人の顔ほどの大きく傘が開いたものも見つかることがあります。
しかし、それほど大きく開いたマツタケでも傘の真ん中は決して凹むことがありません。

このニセモノはマツタケのようなサイズと固さもあるので、本当にどうしても目が行ってしまいます。しかし、マツタケのような高貴さがないのです。
こやつは、マツタケが映えないような落ち葉がある腐葉土のところでも出て来ます。

ニセモノとホンモノの違い
・ニセモノには香りがない
・ニセモノの傘は凹む
・ニセモノの方が白い(※特に成長段階の小さい時)
・ニセモノは腐葉土のところでも生える

さらにもう1枚、ニセモノの写真を紹介しましょう。
以下の写真を見てもあきからのようにニセモノは真ん中が凹みます。
若い段階では凹んでいないかもしれませんが、ニセモノは若い(=小さい)段階ではより白く、香りがありません。
絶対に食べないように気を付けてください。



マツタケに勝るおいしさ!?シャントレール

よくマツタケはキノコの王様と言われるが、僕もその意見に同意します。
森にオーラを放つがのごとく、その高貴な姿はこの時期に見かけるキノコ類の中でも、群を抜いた美しさがあります。このことは言葉に説明できないほどです。もう理屈抜きに、「美しいものは美しい」と言うしかありません。

しかし、贅沢な話なのですが、その香りが高いために、食べ続けていくと飽きがくるのも事実です。香りが高いので、なかなか他の料理には合わないというところもあります。
例えば、カレーライスに入れることを考えてみましょう。たくさん採れて食べないともったいないので、カレーに入れたことがあるけど、どうにも合いません。また他の料理にしても香りがある分、主張が強く「今日はもういいでしょ」という気持ちになります。

そんな中、いつでも「こいつはうまいな!」と思うキノコは、シャントレールです。


このラッパのような形のシャントレールは、フランス料理に登場するあんず茸と同じ種類です。
シンプルに、バターで炒めてちょっと醤油を垂らすと、とてもおいしくいただけます。
その他、炒め物やパスタなど、様々な料理に合います。

採れる時は、マツタケ以上にたくさん採れるのですが、なかなか採れないことも多いです。4年前に30個以上のマツタケが採れた時も、シャントレールは紅一点でした。


シャントレール以外にも食べれれるキノコ類はあるのですが、僕はだいたいこれくらいです。以前は、図鑑で勉強しながら、他のキノコ類もチャレンジしたことはあるのですが、食べてみてそれほどおいしさを感じなかったこと。また採ったあとにすぐに色が変色して鮮度を保てないという理由から、採らなくなったものもあります。

ただ、カナダ人にはロブスターマッシュルームも大人気!
昨年もご近所さんからおすそ分けでこんなにいただきました。


ロブスターマッシュルームの食べた感想としては、まったくクセがない味。硬い身でポッキンという感じで折れます。シャントレールよりは味は落ちます。
普段スーパーマーケットで買うマッシュルームのように独特のマッシュのうまみも弱く、本当にあっさりしてクセがないという感じです。でも、これもなかなかの高級食材のようです。


どこへ行けばマツタケが採れるの?

カナダに来てマツタケ狩りに行ってみたいという人は、具体的にどこのスポットで採れるのか、興味あることでしょう。
バンクーバー周辺のことは、あまり詳しくないですが、どこかにスポットはあるように思います。

以前、バンクーバーアイランドに行った時には、シュメイナスという小さい町に滞在したのですが、そこでもたくさん採れました。
きっと降水量が多いBC州では、あらゆるところで採れるのだと思います。

ウィスラーよりもさらに北にあるペンバートンもマツタケ地帯として有名です。また、さらに奥へ行ったバーキングヘッド・レイクというキャンプ・エリアはかなり採れるところだと思います。以前、秋にキャンプに行った時、いかにもマツタケハンターというプロフェッショナル感が漂う人たちに出会いました。またその周辺を車で走っていると、「マツタケ買います!」のような看板が立っていて、採ったマツタケを購入してくれる業者の姿も見かけます。

ウィスラーで有名なスポットとしては、エメラルドフォレスト(Emerald Forest)です。
ビレッジから地元の小学校(Myrtle Philip Community School)に向かうため左折、ローリマーロード(Loromaer Rd)を下り、そのまま突き当りまで行きます。あとは、小さな橋を越えれば、エメラルドフォレストに辿りつけるでしょう。
マツタケを探していると、結構、「誰かが採ったでしょ?」という穴が空いているので、その人気ぶりが伺えます。その日に採れなくても、翌日に同じスポットに行っても見つけることができるので、もし可能ならぜひ朝一番に行くようにしましょう。その方が採れるチャンスが広がります。


あと、ウィスラーで観光で来る人は、よくロストレイクを散歩しますが、その周辺でも採れますよ。僕はロストレイクまで行かないけど、自分の家の近くにあるベースボール場から、ロストレイクの方に向かう道で、よくマツタケを見つけます。

極端な話、どんなところでも採れるような気がします。
例えば、おもむろに車を走らせて、適当なところで車を停めます。(注:路駐の罰金には気を付けましょう)
そこから山に入って行けば、誰も狙っていないスポットなので、見つけやすいと思います。

昨日、自分の友人は、家の裏にある森に入ってたくさんシャントレールを採って来て、僕もお裾分けにあずかりました。


具体的に、「どこ」とはお伝えできませんが、ウィスラーには様々な住居エリアがあり、中には家の裏が森になっているようなところがあります。そういうところでも採れるということです。ようは、どこでも採れるんですよ。

あまりマツタケを採ったことがない人は、ウィスラーに来て「どこで採れるの?」と質問されますが、本当、どこでも!です。
例えば、昨年、僕は小学校の校庭からおもむろに見つかるような気がして林間コースを歩きました。案の定すぐにヒットしました。

たくさん採れるところ。なかなか採れないところはあります。
でも、どこにでも、採れる可能性はあるので、ぜひ今回のブログ記事のハウツーを参考にして、マツタケ狩りを楽しみましょう。

もちろんマツタケは採れた方が楽しいですが、採れなくても森を散策するだけでもきっと素晴らしい時間になると思います。

注意!!!
森の中に入ると方向感覚を失うことがあります。林道のようなところなら安心ですが、森に入る時は一人では入らないようにしましょう。またスマートフォンなど、いつでも外と交流できるようにしましょう。
それと、この時期はクマに出くわすこともあるので、なるべく自分の存在を伝えるために、友達と話すなど音を出すことも大切です。鈴を持って山に入るのも良いアイデアです。


森にマツタケの香りが漂えば収穫チャンス!

最後にマツタケがよく採れる場所、時期を特定する上で、森の香りに注目してください。マツタケの香りがほんのり漂ってくれば、たくさん収穫するチャンスです!
匂いが漂っていなくてもマツタケは採れますが、匂いがある方がより簡単に見つかれると思います。


また、マツタケは1つ見つけると、その周辺にもあることが多いのでそのへんはしっかりと抑えておいてください。「1個見つけた!やったー!」で終わるのではなく、そのあたりの土のこんもりしたところや、徹底に探す意識。腐った木の皮などをペロっとめくったりしましょう。すると、ラッキーにもマツタケご家族に遭遇することがよくあります。

そして、もしとても小さい、それこそ親指くらいしかないおチビちゃんが出て来たら、採るのは控えてください。別に見逃したからと言って、来年の収穫に影響はないかもしれませんが、僕はこのような気持ちが大事だと、信じています。

自然の恵みに感謝しながら、自分が食べる分とご近所さんや親しい友人に配る分くらい採れれればいいかな、と思います。
先にも伝えましたが、毎日食べていると飽きて来ます。
マツタケは食べるのも嬉しいですが、それ以上に最高に美しい1本を見つけた時に大きな歓びを感じるもの。それは、まるで魚釣りの人が釣った魚を持ち帰らずに川に戻すことと似ているのかもしれません。




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自己紹介

自分の写真
1990年にワーホリで来て、その後、カナダで結婚。二人の子供がいます。 現在は、冬の間はウィスラーでスノーボードのインストラクターをしていて、また年間を通してスノーボード・ブログhttps://dmksnowboard.com/を運営、またスノーボード関連ブランドの 日本代理店フィールドゲートで働いています。 会社は東京にありますが、日々オンラインで海外ブランドとのやりとり、PR事業などを行っています。 時間がある時に、こちらのブログをアップし、これからカナダに来られる人に向けて現地からためになる最新情報を配信していきます。

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