本当は安いバンクーバーの家賃!?

2016年5月20日金曜日

t f B! P L
ここ最近、バンクーバーの不動産価格が異常に高騰していることに危惧している人が増えています。




世界でも最も高い不動産、ワーストランキングで香港に次いで2位に入っているとか。世界でもこれほどまでに不動産を購入するのが難しい都市はない!と言われています。
その影響は、バンクーバー都市に留まらず、郊外にも及んでいるそうです。

テレビ・ニュースでもよくそのことが報道されるし、実際、僕の周りにもそういう声が多く聞かれます。

http://www.cbc.ca/news/business/real-estate-prices-suburbs-soar-1.3562481


バンクーバーの不動産が上がる要因は、いろいろあると思います。

海や山など、自然に囲まれた美しい都市で気候はすこぶる良く、世界の住みたい都市のトップ10に毎年入っていること。
さらに開発が続き、都市が成長エネルギーに満ち溢れていることも。

あと、これが連日のニュース報道などで問題視されているのだけど、中国人がなんと3分の1ものバンクーバーの不動産を所得しているそうです。しかも、彼ら中国人は、昨年バンクーバーの不動産に96億ドルも費やしたとか。(以下、参照リンク)

http://www.vancouversun.com/business/chinese+buyers+responsible+third+value+vancouver+home+sales+national+bank/11804486/story.html


これが値段が釣りあがる大きな要因となっていて、バンクーバーの一軒家に関しては3億円必要とも言われています。(※実際には、もっと安い物件あるけど、ニュースでこんなボロ物件が3億円、ジョークだ!なんてやっています。)


外国人の不動産購入に関しても、ハードルが低過ぎると言われています。だから、もっと規制強化しろ!なんて。彼らに買わせないようなルール作りが必要だ、と。

あと、バンクーバーの不動産売買が、マネーロンダリングにも使われているそうですよ。マジか!?

http://www.theglobeandmail.com/news/national/vancouver-housing-market-vulnerable-to-money-laundering/article29285770/


カナダ人にとって、家を買うことは、あたり前のような文化があり、上の世代に行けば行くほど、多くの方が購入しています。
しかし、今の若い世代は家なんて、到底買うことができない!と問題になっているのです。
彼らからしたら、「バンクーバーで育ち、教育を受けた私たち。まっとうな仕事を続けて来たのに、なぜ親の世代のように家が買えないんだ!」という論調になっているのです。


多くのカナダ人の方にとって、家賃というのは捨て銭だと考えているようですね。
実際、ウチのカミさんのママも、そう言うんですよ。
家賃でオーナーにお金を払い続けているのは、バカらしいと。

不動産関係者は、「なぜ、買わないんだ!」「買った方が得だぞ!」「払い捨ての家賃より、住宅ローンを払おう!」と連呼。さらに住宅価格を活性させるために、油に火を注いでいます。


「払い捨ての家賃」!?!?

でも、果たしてそうでしょうか?
ちょっと目線を変えて、本当に家賃は高いかな?という話をちょっとしたいと思います。



本当は安いバンクーバーの家賃!?


例えば、今、自分がバンクーバーで借りているワンベッドのコンドミニアム。この家賃が高いかどうか、考えてみます。



パークロイヤルというショッピングモールに隣接しているスポットでひじょうに便利。ビーチも目の前にあります。

ジョギングやサイクリングしても気持ちいいし、パドルボードもできる。
スケートパークもあるし、きれいなサッカー場や野球場もあります。



ドッグビーチと呼ばれる、犬を放して散歩できるエリアもあるんです。
さらに、この物件、プールやジムもあるんですよ。






だから、ひじょうに値段が高い不動産であることが想像されます。



実際にネットで調べたのですが、同じような条件の物件は販売されていませんでした。だから正確な値段はわかり難いのですが。
でも、同じ建物で2ベッドの物件があったので、それを参考にします。(以下、参考リンク)

http://www.rew.ca/properties/areas/park-royal-west-vancouver-bc

チェックしてみると、2ベッドでだいたい8千万円程度です。

ウチが借りている物件は、1ベッドだから・・・、うーん、6千万円ほどの物件でしょうか。

まっ、仮に6千万としましょう。
そして、この不動産を持つオーナーの気持ちになってみます。


6千万円持っていたら、それを使って何かの投資に回したら、いくらぐらいのリターンが期待できるのでしょうか?
カナダでも低金利とは言え、5%は固いかな(?)


5%で計算してみますね。

6000万円÷5%
年間投資リターン期待額=300万円

6千万円持っているいる方が、一年で受け取るべき投資の期待額です。


以上を1か月分の家賃計算すると、

300万円÷12か月=25万円

結果、オーナーさんからすれば、一か月間に25万円の家賃がほしい、ということになります。仮に不動産でなく、他のことに投資すれば、それぐらいの額を期待できるということです。


にも、関わらず、実際に僕たちは払っているのは?

その半分ほどの家賃なんですよ。

そう、考えると安いと思いませんか?

しかもオーナーは管理費用も払っています。

僕も、ウィスラーのコンドミニアムの物件を持ったことがあるけど、そこでも毎月4万円程度払っていました。
だから、このパークロイヤルのようなレベルになれば、5万円とか払っているのかもしれません。
そう考えると、ますます家賃は安く感じます。




レント(借りる)する側の立場になると、
家賃を払い続けている、ムダ金。損。という話になって来ます。
家賃は高い!って気分になるのです。

だけど、実際にはそうでもない。

家を買ってもローンを払い続けないといけないだろうし、そんなことが20年、30年も続けば、結局のところキツキツのライフ・スタイルになる可能性が大です。

ローンが終わって、遂にマイホームが完全に自分のものになるだろうけど、その間には修繕費用も掛かるだろうし、毎年、固定資産税も取られ続ける。一度、購入してしまえば、引っ越しの自由もありません。どんなに近所の人がうざくても、そこに住み続けないといけないでしょう。(※もちろん持ち家を貸して、自分が他のところに移りレントするという方法もあるけど。)


こう考えていけば、持ち家が自分のものかどうか、なんてあまり意味ないのではないでしょうか?

なぜなら買った家も借りている家も、結局は同じ家だから。
自分は、もしくは自分の家族は、結局のところどこかに住み続けなくてはならないのです。

家賃払い続ける側は、いつでも自由に動けるという利点があるし、オーナーのように管理費用を払い続けることもない。万が一、地震が起きても、一晩で不動産が消えるリスクもない。おまけに不動産バブルが弾けた時のリスクもなし。


今は、バンクーバーの不動産がバブル状態で上がり続けているから、オーナーの方も得しているだろうけど、もし不動産価格が止まったり。最悪の事態、弾けちゃったら。
怖~っ。何が起こるのだろう??

二十歳以上の国民ほとんどが借金していると言われているカナダ人。
しかも、昨年の国の歳入は歳出よりも少なく赤字というカナダ。
うーん、何か起きそうで怖い・・・。


一方、こんな素晴らしいところに住むと、永遠に不動産価格なんて下がらないという気持ちにもなります。何しろ中国人などバカバカ流れて来るので、この流れは一向に止まらない、という気持ちにも。

でも、家を将来、買おうとしている人は、ここは様子見でいいのではないでしょうか?

考え方によっては、この世のものはすべて借り物でもあるわけだし、いつか誰かに返さないといけない。
だから、不動産所有に関しても、やきもきすることないと思うのです。

大切なことは、自分の家族が日々楽しめる環境にあること。
子供には良い教育ができて、家族でたまに行けるバケーション費用があり、あとコツコツと貯金をすることができれば申し分なし。

その貯金を使ってリタイアメントしたら、どっか違う国で豪遊生活だって、できるかもしれないしね。

ちなみに、僕はあまりそういうことには興味ないけど。

これまで、あまりにも自由過ぎる環境で生きて来たキリギリスだから、しばらくはアリさんのようにコツコツと働きます。

いつまでもカナダのような素晴らしい自然に囲まれたところで、今のような楽しい職場で仕事を続けられることが一番!おじいちゃんになっても、社会の一員として活躍できればありがたいです。
そう、一生社会の歯車の一部で充分です(笑

コツコツ働いたお金で、ビールを飲むのが一番うまいんですよ。
今日もおいしいビール、いただきまーす!






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自己紹介

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1990年にワーホリで来て、その後、カナダで結婚。二人の子供がいます。 現在は、冬の間はウィスラーでスノーボードのインストラクターをしていて、また年間を通してスノーボード・ブログhttps://dmksnowboard.com/を運営、またスノーボード関連ブランドの 日本代理店フィールドゲートで働いています。 会社は東京にありますが、日々オンラインで海外ブランドとのやりとり、PR事業などを行っています。 時間がある時に、こちらのブログをアップし、これからカナダに来られる人に向けて現地からためになる最新情報を配信していきます。

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