カナダに住んでいる日本人が、カナダになくて困るものは?
だいたいそんな会話をしていると、文房具という回答が出て来ます。
たしかにカナダで売っている鉛筆は、クオリティが悪くてすぐに折れてしまったり、消しゴムも日本のMONOのようにあまり効果がなかったり、ボールペンにしても日本で売っているメチャクチャに書きやすいものなど、なかなか見つかりません。
だから、「日本で購入しておけばよかったあ~」って後悔したりしますね。
しかし、僕は1つここで挙げておきたいのは、この時期に必要になる虫刺され・痒み予防薬です。
日本には、ムヒ、ウナコーワ、キンカンなど優れた痒み予防薬があります。
僕が子供だった頃には、「キンカン塗ってまた塗って~♪」というCMソングそのままに、痒いところに塗って、スーハ―して気持ちいい感覚を得て、またちょっと痒いなあと思ったら塗り直したものです。そうこうしている内に痒みが収まって来ましたね。
だけど、カナダで売っているこのAfter Biteはいただけない!いつになっても痒みが収まらないのです。
なぜだろう?
昨日、たまたま仕事のことで日本の友人と話すことがあり、この話題に飛びました。
「ムヒアルファは調子いいよね!」みたいな会話になり、その理由として、「ステロイドが入っているんだよ」と聞きました。「どうりで強力なワケだ!」なんて、思ったのですが、そもそもいつもカナダで使っているAfter Biteには、どんな成分が入っているのだろう?と思い調べてみました。
普通、薬にはこうした成分とか説明書のようなものがあるのですが、これがなかなか見つからなくて。公式ホームページでも発見できなかったのですが、なんとかグーグル先生に聞いて内に、たしかな情報をゲットしました!
Active Ingredient: Sodium Bicarbonate (Baking Soda) 5%
Inactive Ingredients: Ammonia, Cyclopentasiloxane, Glycerin, Purified Water
これをざっと訳すと、こんな結果が出て来ました。
有効成分:重炭酸ナトリウム(重曹)5%
不活性成分:アンモニア、シクロヘキサシロキサン、グリセリン、精製水
パッと見た感じ、なんか薬としては弱っちいなあ、と思いました。
重曹って、あのベイキングパウダーのことか?
「不活性成分」というのは、薬などの用語らしいのだけど、ようは科学的に安定されているような成分だそうです。安定しているというのは、何かの状況で変身しない、そのままの状態でい続けてくれる、という感じだと思います。
アンモニアは、たしかに虫刺されに有効ですよね。子供の頃、蜂に刺されたらおしっこを引っかけろ。なぜなら、おしっこはアンモニアがあるから、なんて言われていたけど。
シクロヘキサシロキサンは、調べたところシリコーン溶剤として汎用されているとのことです。よくわからんな。こんなものが痒みに効くのでしょうか?
グレセリンは、古くかから使われている保湿剤。患部を感想させないとか、保湿しておくとかの効果かな。これ自体が痒みを軽減することはなさそうです。
精製水は、比較的な純粋な水だって!
以上の成分を検証したところ、痒みに効きそうな成分は、アンモニアぐらい。なんかほぼ全滅って感じですね。どうりで、効かないワケです。
我らのムヒアルファの有効成分はやはり凄い!
次に我らがジャパンが誇るムヒアルファの有効成分を検証してみましょう。
こちらの方は、グーグル先生に聞いた結果、すぐに出て来ました。
成分 | 分量 | はたらき |
---|---|---|
ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 2.0g | かゆみ原因物質のはたらきをブロックします。 |
デキサメタゾン酢酸エステル | 25mg | かゆみ、はれ・赤みの原因である炎症の元に作用するステロイド性抗炎症成分です。 |
ℓ-メントール | 3.5g | 清涼感を与え、かゆみ感覚をしずめます。 |
dl-カンフル | 1.0g | 清涼感を与え、かゆみ感覚をしずめます。 |
クロタミトン | 5.0g | かゆみをしずめます。 |
グリチルレチン酸 | 0.2g | 生薬由来成分で、かぶれなどの炎症をしずめます。 |
イソプロピルメチルフェノール | 0.1g | 殺菌作用があります。 |
素晴らしい!
痒みをジフェンヒドラミン塩酸塩でブロック。
さらに炎症をステロイド性抗炎症成分であるデキサメタゾン酢酸エステルで防いでくれるのです。
それだけではありません。ℓ-メントールとdl-カンフルで清涼感を与え、痒み感覚まで鎮めてくれるのです!もうここまで聞いて、「いや、ムヒさんご立派!あっぱれ!!」と伝えたところ、さらにクロタミトンで痒みを鎮め、グリチルレチン酸で炎症を防ぎ、イソプロピルメチルフェノールで殺菌作用するという。
いやあ、参った。全然レベルが違います!
感覚的には、あなたの野球チームにはメジャーで活躍する大谷選手がやって来るか、そのへんの中坊の野球少年が来るか、それくらの差はあるのではないでしょうか?
(After Biteは、北米でNo.1の売れ行きを誇る虫さされ薬です)
この後、ムヒ以外の日本で主に販売されている虫刺され用の薬の成分をチェックしたのですが、メーカーが変わってもいくつか似た成分を使っていることもわかりました。
例えば、ウナコーワも痒みのもとになるヒスタミンの働きを抑えるために、ジフェンヒドラミン塩酸塩を使用していました。また痒みを鎮めるℓ-メントールとdl-カンフルも使用していました。
そこで疑問に思ったのは、そもそも痒みを抑える最大の仕事人とも思われるジフェンヒドラミン塩酸塩を、なぜカナダで販売している虫刺され薬に使用していないか?ということです。
もしかしたら、これはステロイド剤なので、市販のドラッグストアあたりは買えないのかもしれません。例えば、本当に痒くて辛いという人は、お医者さんに見てもらい、そこで処方されるような薬は、効くのかもしれませんね。
ともかく、これからカナダに行く人は、ぜひ日本で事前に購入する虫刺され薬を持って行くことをおすすめします。
毎年、カナダに来るワーホリの人、留学生さんの中には、キャンプに行って蚊に刺されて、「見たこともないほど腕が腫れあがってしまって困った」ということをよく耳にしますよ。
おそらく、日本からこうした薬を送ると、検疫とかで引っ掛かる可能性が高いでしょう。持ち込みならセーフになる可能性が高いと思います。
飛行機に乗る時、液体の薬で引っ掛かるのが心配だったら、軟膏のムヒSとかなら、まず大丈夫だと思います。
ちなみにムヒSには、ステロイド成分は入っていないのですが、それでもジフェンヒドラミンと、ℓ-メントール&dl-カンフルで痒みをブロック&解消してくれると思います。
どちらにしてもAfter Biteよりはずっと効くことでしょう。
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