日本人の感覚では、チップの支払いというのは難しいかと思います。
おそらく、かつての日本ではこうした心遣いというのはあったのでしょう。時代劇のドラマを見てもそんなシーンを見たことがあります。
僕が幼い時には、「お駄賃」という考え方があって、何かお手伝いするとちょっとしたお金をもらうことがありました。
例えば、叔父さんから「フサキ、このタバコを買って来てくれ」と言われて、近所まで走って買ってくると、「ありがとう。お釣りはとっとけ」なんて言われたり。
僕の祖母は、僕が幼い時からちょっと頭がちょっとおかしくなっていて、頭の中で考えていたことがすべて言葉に出てしまうという方でした。今思えばとても優しくて愛情の溢れたおばあちゃんだったのですが、子供心に独り言を話し続ける祖母がちょっと不気味でした。
そんなおばあちゃんといっしょに、らーめん屋に入った時、帰りの際、心遣いとばかりにお店にお金を置いていこうとしたことがあります。その場に居合わせた叔母は、「やあね、母さん今どきそんなことしないよ」と止めようとしていましたが、意地になって「それはテーブルとか拭いてくれる店の人に悪い」とばかりに、支払おうと押し問答していたことがあります。
このようなことからもわかるように、おそらくは昔、大正時代でしょうか。その頃には、日本にもチップに似たような風習はあったのかと思います。
しかし、現在の日本はそんな制度はまるっきりなく、日本人にとって海外旅行した時のチップという考え方は、ちょっと難しいのかな、と思います。
自分自身、カナダの飲食業で働いたり、友人や家族だったりがレストランで支払う姿を見て学んだ点も多いです。
前置きは長くなりましたが、カナダにおいてチップは何パーセント払えばいいのか?
ということを僕なりの考えでお伝えします。
問題。
レストランのチップの支払いの正解は?
A 10%以下
B 15%
C 20%以上
おそらく多くの日本人の方は、Bと答えるのではないでしょうか?
あるいは、「10%でいい」と思う人は、Aと答えるかもしれませんね。
僕的な正解は、Cです。
「えー、そんなに払うの!」と思うかもしれませんが、だいたいそんな感じだと思います。
実際に僕はレストランで働いているウエイターやウエイトレスの方に取材しました。
じゃあ、10%くらいのチップを払うことはないのか?と言われれば、それはそれであることです。その場合は10%くらのチップに抑えて、「あなたのサービス悪かったよ」あるいは「このレストランの飯は不味いな」ということを伝えるためです。
だから、例えばあなたがカナダのレストランに来て「うひゃー、ひでえー、こんなサービスかよ!」という気持ちの時は、憤慨しながら10%程度、あるいはそれ以下のチップを払えばいいわけです。
だけど、それでも10%くらいは払います。
一方で10%くらいしかチップを払わないという行為は、現地のウエイトレスからしたら「常識知らずだね。失礼だね。」と思われている可能性が高いです。
基本的には、20%まで支払わずても、15%くらいでもOKです!
普通のサービス、まあ食事の説明もうまくしてくれて、「私の食事のためにサービスしてくれたな」という感覚があれば、合計金額から15%から20%範囲で置いていけば、いいと思います。
このレストランうまかった!サービスも最高だった!
そういう時には、20%だと思います。
だから、もうカナダに来てサーバーが入るレストランに入った以上は、もう20%チップの覚悟を持つといいでしょう。
ちなみにコーヒー屋さんなど、サーバーが入らずにキャッシャーだけで済ますようなケースでは、チップを払っても払わなくてもOK。もし、キャッシャーの横に小銭チップを入れるガラスの容器などある場合には、お釣りを入れる程度でOKでしょう。
もちろんカナダに住んでいる人が全員このようなチップマナーを守っているわけではありません。中国系の方とか、その他のヨーロッパやオセアニアでも北米のようにチップ文化がないので、「何パーセントを払えばいいのかわからない」という感覚の人は少なくないです。
だから、日本人だけがチップ文化を知らないわけではなく、他の国にもそういう方はたくさんいます。
ようはごうにいっては郷に従えということでしょう。
カナダに来たなら、そのカルチャーに合わせましょう、ということです。
日本に来た外国人が銭湯に来てルールを守らなかったら、日本人は嫌な思いをすると思います。チップの分かを守らない日本人は、カナダ人にとって同じような気持ちを持たれるのでしょう。
以前、僕が取材したウエイターはこんなことも言ってました。
「僕が幼い頃、家は貧乏だったけど、レストランに入ったら必ずママは20%のチップを払っていた。」
そう、これが昔からカナダに住んでカナダで生活して来た感覚なのだと思います。
僕の妻の家族、義理のお兄さんもレストランに入ると、「ここはオレが払う」とばかりに、デンと奥の席に座り、和やかにウエイターと話し楽しい時間を過ごすようにしています。
そして、お支払いの時にはきっと気前よくチップも払っているのでしょう。
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