ここ最近、何人かの方から家の購入の相談を受けるようになりました。
自分は、今、53歳なのですが、もっと若い30代の方たちです。
1つのきっかけは、カナダで移住ビザのPRカードの所得者で、これからカナダで生活するにあたって、今、払っている家賃がもったいないので、家を購入しようか、と考えていると言うのです。そんな時、僕は決まって、「止めといた方がいいよ」と言っていました。
というのも、現在の家の値段は若い人たちにとっては信じられないほど高いので。
ちなみに僕が現在のタウンハウスを買った時には、2ベッドのような物件が2千万円ほどで買えました。しかし、今はもうハーフミリオンとかそれ以上の世界です。
もはや家を買うという選択は、若者にとってはほぼ不可能な状況です。
だけど、今回、相談を受けたのは、Whistler Housing Authority(ウィスラー住宅公社)の物件で、価格が400,000ドル(※およそ4千万)程度。また、さらにその方の現在の家賃は、$1500だとも言います。
「えー、そんなに高いの!」
と言ったら、「いやあ、フサキさん、今そんな感じですよ。ウチらはラッキーな方です」と返されました。
その方はカップルなのですが、「自分たちのスペースを確保するとそれくらい掛かる。オーナーさんといっしょに住むようなら、もっと安いものもありますが…」ということでした。
たしかに独り者ならまだしも、若いカップルがオーナーといっしょのキッチン、あるいは共同バスルームのような状況では嫌でしょう。
以前、相談した方たちはもっと安い家賃だったので、「家を買わない方が得だよね」という簡単な話で終わったけど、家賃も1500ドルも掛かれば、ちょっと話は変わって来そうです。
ということで、自分なりに後日、シュミレーションをしてみました。
物件$400,000のシュミレーション
$400,000(物件)
$100,000(頭金)
$300,000(ローン)
その相談した方が、そもそもどれくらいダウンペイメント(頭金)を入れるかわからなけど、勝手な予想で$100,000としました。そもそもそれくらい頭金を納めないと話にならないだろうし、現在持っていなくてもご両親にお借りするなどして、そこまで入れないと難しいかな、ということで。
ちなみにカナダでは、家を買うために必要となってくるのがDown payment(頭金)で、住宅の価格の20%が一般的です。頭金が20%以下の場合、Mortgage insurance(住宅ローン保険)が必要となります。
25年ローンの場合
利息2%計算だと?
$1271(300回払い)
支払金額 $381,300
$81,300(利子で支払った金額)
https://www.loankeisan.com/bin/calc?a=3000&b=0&i=2&p=25&t=r
(以上、計算式で使ったシュミレーションサイト。日本語サイトですが、100円を1カナダドルで計算するとわかりやすいです。利子のパーセントや何年払いなど設定できるので、これからローンを組む人はオススメのサイトです)
そもそも利息が2パーセントなんて、低いような気もしましたが…。
また、将来に渡って、もっと金利を上がることも考える必要がありそう。
ともかく、低金利時代ということで計算しました。
家を買った後に掛かるもの
家賃を払っている人は、「なんでお金をオーナーに渡し続けているんだ」と憤慨しがちですが、いやいやオーナーさんだって、いろいろ払っているんですよ。ということで、家を買った後に掛かる費用を並べてみます。
Strata Fees 管理費用 $400(月)
Property Taxes 固定資産税 $1000(年間)※物件の大きさによってはもっと掛かるかな!?
火災、水道水漏れなどの保険 $1000(年間)※保険代は長い期間ほど安くなる傾向。特に1年目が高い
小計 $2,000÷12(カ月)=$166
$566(ローン以外に掛かる費用)
※計算式:管理費用 $400(月)+固定資産税と保険代$166
$1271(ローン)+$566(管理費用、保険)=$1837(毎月の出費)
以上。
毎月の出費が$1900に収まるなら、いけないことはないな、と思いました。
だけど、これはあくまでも2パーセントの金利なので、より詳細に把握するには銀行に行くなりして、自分がどれほどの金利でいくら借りれるのか、調べないといけません。
特にカナダでは、自分のカード履歴や報酬実績などがローンの金利額に影響されます。
ただ、以上の計算方式は、「頭金」と「金利」を自分の立場に合わせて計算できるので、参考になるでしょう。
結果、
家賃 $1500
現在の家賃よりも毎月$337支払うことで家を購入できる
ということになります。
現在30歳(※相談者)
55歳の時にローン返済
25年後、ウィスラーなので、家の価値は下がらずにおそらく上がっている。
※Whistler Housing Authorityの物件は、他のウィスラー、バンクーバーの通常の物件と違い、驚くほどに安い。しかし、一方で急激に値上がることもありません。ほのかに上がる傾向です。
ただ買うのも困難でウエティングリストに登録しても、2、3年音沙汰なしを確保する必要があります。
ファイナルアドバイス
家のローンに掛けていい返済比率は手取り収入の年収の20%ならOKということで、ざっと以下のようなアドバイスになるのかな、と思います。
月収が$6500(ローン費用の20%ならGO)
月収が$3900(ローン費用の3分の1なら危険領域か)
月収が$2600(ローン費用の半分なら完全危険領域へ)
おそらくは、ローン費用の20%もなく、3分の1以上でも問題ないか、と思います。
ただ、今のような自由なライフスタイルは、月収が4000ドル程度では難しくなるでしょう。食べたいものをある程度、好き勝手に買い、日本に行きたい時には、年に一度か2度くらいは行くとか、そういうものは失いがちになるか、と思います。
今のような自由なライフスタイルを保ちつつ家を購入したいなら、手取り月収がご夫婦で6,000ドル以上はキープしたいですね。
一方で家を買ったことで、より仕事や人生に対してシビアに真摯に向き合う可能性もありますね。
その相談した方は、ご夫婦共に働き者ですが、これからはさらにスキルアップしてより報酬がもらえる職場などを選ぶようになるきっかけを与えるかもしれません。
ともかく、頭金と利子、そしてこれからの手取り報酬という3つのことにより、将来設計が可能になるので、気になる方はぜひ今回ご紹介した方法を試してみてください。
どちらにしても家を買っても買わなくても、死んでから家を持って行くわけにはいかないし、若き日のちょっとした見栄で、家は購入することはないか、と思います。
自分の子供たちも、21歳(息子)と19歳(娘)になりますが、近い将来、「家を買いたい」と言ったら、同じようなアドバイスするでしょう。
今の若い人たちは、100歳まで生きるというから、もっと自由で健康的に過ごすよう心掛けると良いと思います。極端な話、おそらく将来はどこにいても仕事ができたりするのだから、家に束縛されずに、自由に住みたいところで生活して、できるだけ長く仕事を続けられるようにしたら良いと思うのです。
僕も死ぬまで仕事を続けたいと考えているし、また将来はいつでもサーフィンが楽しめるような海岸、あるいは目の前に野生動物が現れるようなアフリカのようなところにも住みたいと考えています。
そのためにも日々、体調管理には気を付けて、若い人たちと楽しく仕事できるように日々勉強しています。
※現在、ウィスラーのローカルが購入できるWhistler Housing Authorityの物件は、およそ2100件あります。自分の家のタウンハウスもWhistler Housing Authorityの物件で、23年ほど前に購入しました。
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